いい事ばかりはありゃしない


 ザ・ベスト・オヴ・シェリル・リン


 それにしてもこのシェリル・リンさんのジャケットはよく撮れております。いや、ご本人はもちょっとお太めだろうとか、そういうことを指摘したいわけではなくてですね、ワタシはいちおうプロとして「ジャケ写映り」を良くすることもお仕事だからであります。純粋に仕事を称えているわけですよ。そりゃまあ、そう書くと、どうしても「じゃあ本人わあ?」ということになるわけですがね(笑)。そこをするっとスルーするのも仕事ではありませんか。


 いいところはホメる。悪いところはうまく言う。「評論家」ではなく「お披露目業者」としてのマナーです。淀川長治さんんもそう言ってました。たぶん。


 昨日、終電間際のわりと空いている各停に乗っていたのである。そうしたらね、ナナメ前にビールを片手に持った赤ら顔のおっさんがいるわけですよ。推定年齢70才前後。もうね座った席でぐらぐらしてますよ。ああこりゃあ酔っぱらいさんでいらっさる。とまあ思っていたら、このおやじが電車に乗っている人の誰ともなしに説教を始めちゃった。きたきた(笑)。しかも、電車の轟音にかき消されまいとかなりの大音声、なんだけど、コレがアナタ、聴き取れないんですよ。酔ってるもんで。

「オマエらあオレがうんにゃあむがらべほむほぐもげもぐだろ!」(最初のところと「だろ」だけ聴き取り可能)
「あ、オレはなあ、むがりまなのべしぐんぬんでもろみそ喰うんだぞ!」(最初のところだけ聴き取り可能。最後の「もろみそ喰う」は想像です)

 この状態で約15分間。ずっとしゃべってんのよ。ワタシの隣席にいた就職活動中のお兄さんはとっとと別車両へ。その背中に向かっても「むんがらべか」とかおっしゃってます。すんごいでしょ。

 そしてこのお父さん。とある駅が来たらむくっと立ち上がってドアへと向かったのである。おお、ここの住人なのか。とワタシが思ったその時だ。お父さんは大きく開いたドアからホームを見渡して、これまた大音声でこうおっしゃったのである。

「おおい、ココはどこだあ?」

 ちょっと想像はできたものの、そこまで大声でこのフレーズを、電車の行き先表示を根源的に否定するようなこの疑問符を、空中に向かって発射した人はそういない。すばらしい。笑いそうでしたが、笑うと説教されそうなのでこらえました。ワタシもまだまだですな。


 ♪かねがあほしくてえはたらいてえねむるだけえ



人気ブログランキングへ