いざカマ喰ら、と大根編集者

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 楽天市場から「楽天シニアニュース」なるメルマガがしょっちゅう届くのだが、それはワタシがシニアだからだろうか。

シニア【senior】

年長者。上級生。上級者。

(『大辞泉』より)

 まあ、シニアか(笑)。


 シニアの嗜みとして、先日、平成中村座に行ってまいりました。入口でいとうせいこうさんにばったり。おお、さすが、せいちゃん(スーツ着てた)。出し物は、もちろん「仮名手本忠臣蔵」ですよ。ワタシが行ったのは「Aプログラム」(ネーミングが歌舞伎にしてはちょっと興ざめだけんども:笑)でありまして、「大序」から松の廊下もある「三段目」、そして判官切腹の「四段目」。ここの予習をしていたわけですな、落語の「淀五郎」は。いやあ、よかった。っていうか面白かった。古典芸能っていうより、ワタシには前衛演劇のようですよ、歌舞伎は。中村橋之助さんの高師直吉良上野介ね)のヤな感じがよかった。成駒屋


 落語鑑賞にはCDもDVDもあるわけですが、歌舞伎は生ですな。生で見ないと意味がない。演劇はすべからくそうですが、特に歌舞伎はね、本舞台と花道の距離感とか、衣装の具合とか、その衣装の衣擦れの音とか、出向かないとわからないねえ。一期一会と念じて観るものであります。
 しかし、来年は混むんでしょうなあ、歌舞伎座は。あの今の建物を新しいビルの中に移築しちゃえばいいのになあ。


 ちょっとお勉強にと、松竹さんのサイトなんぞパトロールしておりましたところ、「歌舞伎美人(かぶきびと)」というコンテンツがありまして、ここがなかなか面白い。「江戸美人の作り方」という食のコラムや歌舞伎の中のお酒の話とかね、ま、ワタシのようなシロートも楽しめるようになっております。

 その中に江戸の食い物の話があって、「大根」についてこうある。

 江戸時代の儒学者で、健康の秘訣についての書物『養生訓』を記した貝原益軒(かいばら・えきけん)は、その著書のなかで野菜のなかでは一番上等と、ことのほか誉めています。さらに、脚気で重体に陥った五代将軍綱吉は、練馬大根などの新鮮な野菜の治療によって回復したとの逸話も。


 大根が好きである。役者じゃないですよ。食べる方の。おろしても佳し、炊いても佳し。なので刺身のツマの大根も食べる。刺し盛りなんかで下にどっとツマが敷かれていたりすると、すごく嬉しい。食べがいがある。大根だけではなくて、そこにある大葉も食べるしワカメも食べる。刺身が終了した時点で皿を下げようとする店員さんをバスケのディフェンスで鍛えた華麗な肘使いでかわしながら食べる。結果、皿に残るとこなし。


 魚もそうですな。もうね、食べられるところはすべて食べる。[大戸屋]さんあたりでも、隣席で食事の後にやおら化粧直しを始めてしまうようなギャルの皆さまの猛烈に頓知の効いた会話を小耳に挟みつつ、視線と指先だけは魚に集中。噛み切れれば骨まで食べる。骨まで愛して。城卓矢。なので居酒屋さんで「かま焼き」なんぞがあると、もう大変。開く、掻き出す、突っ込む、抉る、しゃぶる、ねぶる、噛み砕く。食事というよりも解体だね。綺麗に骨だけを残して完食するまで、あまりに集中しすぎて静かだものオレ(笑)。カニよりもカマで黙々解体屋。こないだ、居酒屋の大将にも誉められました。帰り道に指先を猫に襲われないか心配でした(笑)。


 解体屋外伝 (講談社文庫)


 お、今日は勝つかなジャイアンツ。星野は往生際が悪すぎだっての。



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