女子の高級化とメガネ月間

代替文


 3月も早い。もう5日だ。どこか飛ばしてないですか、日にち(笑)。


 先日、J-WAVEの方のコラムに「渋谷は女子対応」という話を書いた直後に[シブヤ西武]がリニューアルオープン。これまた女子度数高めだわあ。でもA館8階のレストラン街とB1階の食品売り場はなにやら大人っぽいっすね。[美々卯]に[吉祥]に[すし萬]に[つな八]に[花壇]。ランチの設定は2,000円前後か。これはですよ、女子目線と格差目線が併走している気がするじゃあないですか。「女子の高級化」が2007年版バブルへGO!なんだな、たぶん。


伊勢丹]しかり[バーニーズ]しかり、「綺麗なデパートは好きですか」って感じでしょうか。「新しくて綺麗で快適でイマドキにイケててちょっと高い」。これぞ女子よねえ。「そんなに綺麗じゃないし不快なところもあるけど古くさくて安い」っていう店は消えていく。どうする男。
 そんなわけで、今日のランチはその[シブヤ西武]地下にて[銀座梅林]のメンチカツランチを購入。男はメンチカツである(断言)。


 昨日もメガネ駄文を蔵出ししましたが、こうなりゃ今月はメガネ祭り〜。もう一本行っておきましょう。これは昨年、新美容出版の「Shinbiyo」誌別冊にデザイナーの駿東宏さんが推薦してくれて書いた原稿。美容師さん以外は見たことも聞いたこともないでしょうから、ここに勝手に再掲載。
 あ、そうだ、その「Shinbiyo」の今月の締め切り過ぎてたあ。あ、「Style」もだあ〜。書きます書きます。書きますってば(笑)。

渡辺祐駄文蔵出し「ねずみ穴はやったんべえな」】


[「メガネ」という生き方。]


『メガネ男子』という本が売れたらしい。「男子」というぐらいだからヤングのことに違いない。つまり「メガネ君」のことだと思う。ワタシなんぞはコンタクトにコンタクトせず、メガネ一筋で幾星霜。近視、乱視に加えて、すでに「老」の大海原に漕ぎ出さんとする立派な「メガネさん」、いや「メガネおやじ」である。「ちょい」はつかない。「ど」がつくぐらい。メガネだけに度付き。「どメガネおやじ」。ちょいモテどころか、どモテないこと甚だしい、


 ここまでメガネ男ライフを送ってくると、新参メガネ君に語り継ぎたいエピソードも多数ある。風呂なしアパートに住んでいた頃、銭湯の脱衣場でメガネ落っことして見事に片玉を割って(当時、レンズがガラスね)、番台のおやじさんに叱られてすっかり湯冷め、しかも見えないと不安なので片方割れたメガネで帰った日の北風。フィジーの海でボートの上から海中を見ていた友人(平間淳さん・本名)の顔面からメガネがずり落ちて、透明度抜群の珊瑚礁にゆらゆらと消えていくそのメガネを見送った日の陽光。メガネのカナシミよこんにちはである。


 カナシミと言えば、メガネ男として最も哀しいのは、新しいメガネを選べない自分に出会った時だろう。なぜなら眼鏡店の新しいメガネにはレンズが入っていないからである。フレームを選んでね、おもむろにかけて鏡を見ても、オノレの姿ぼんやり。似合ってるのか、わからーん。残念。メガネ男斬り。最近、見かけないな、ギター侍。かくしてメガネ選びには想像力が必要である。


 ついでなので告白しておくと、体重計が見えない。正確な体重が知りたいというオトナとしての純粋な欲求を満たすためには全裸が望ましいに決まっている。全裸になる。体重計に目方でどーん。見えない、数字が。したがってメガネをかける。つまり私の体重は永遠に全裸+メガネの数値である。


 ちなみに最近、レンズの内側に刷毛で掃いたようなライン状の油脂が付着するようになった。どうやらおやじの汁がマツ毛をつたって(毛細管現象?)レンズにラインを描き出しているようなのである。
 メガネおやじ、46歳。マツ毛から油脂を放出中。


(初出:2006年1月@Shinbiyo)


【BGM】CURTIS MAYFIELD『SUPERFLY』1972
スーパーフライ・25TH・アニヴァサリー・エディション
メガネつながり。