志の輔らくご備忘録

代替文


 おっと、もう今週で1月終わり。今日は「東京サブカルサミット」観に行く日だね。何が起きるんでしょうかね、堀ちゃん。


 さて、睦月1月は毎年恒例「志の輔らくご in PARCO」の三回行っちゃいました。今回は1ヵ月の公演期間中のプログラムが三種類。其の壱と其の弐の報告は以下にあります。


其の壱】【其の弐


 そして1月19日に行ってまいりましたプログラム其の参。
 演目は、烏賊の、いや、以下の通り。

七福神
「新版 しじみ売り」
(お仲入り)
狂言長屋」


七福神」はすでに書きましたが全プログラム共通ネタ。つまり三回観ましたが、観る度に笑いの質と量が違うんですね。その日の志の輔さんとその日のお客さんのグルーヴの出会うポイントが違う。うーむ、舞台は生ものですなあ。行ってみないとわからない。再確認。


しじみ売り」は、十八番ですね。ねずみ小僧次郎吉の「とんでもなくいい話」をたっぷり聴かせてくれます。テーマは「人生の矜持とケジメ」。わけあってしじみを売る小僧のこまっしゃくれた会話で笑わせ、その「わけ」を知らずと作っていた次郎吉のカナシミと正義感でうならせる。オノレを律するココロ=品格である、というマクラを振ってから噺に入りますが、自分に甘いダメなオヤジ(略してダメおやじ←略してない!)として耳が痛い、ココロも痛い一席。雪の中でしじみを穫る、けなげな小僧の絵が見える。泣けます。
 この噺、志の輔版の「しじみ売り」はCD化もされております。いまCDを再聴したところ、今回のPARCO版は、より「間」を取る時間が長くなっている気がする。すでに十八番だった噺が、さらに練り込まれている。すごいねえ。


狂言長屋」は、噺の途中から本物の狂言師が登場してしまうという志の輔さんならではの落語コラボ。脚本を盗まれて落ち込んだ狂言師を長屋のひょうきんな面々が励ます。結果、演じられる狂言は……? という展開。能や狂言の「よさ」をわかりやすく伝えようという志がまずすばらしい。ヘタをすると奇をてらった舞台になりかねないところを考えられたギャグと相当に稽古したであろうパフォーマンスで飽きさせず鼻白ませず(日本語変だな)。


 以上、備忘録。鶴瓶師匠の落語会でも思いましたが、テレビって「鍛えた芸のある本物」と「昨日や今日のタレント」という皆さんが同じ土俵に上がってる、ミョーなメディアですな、やっぱり。ラジオもそうか(笑)。鶴瓶さんの話は→ココも参照願います。


 ラジオと言えば、この日は、J-WAVEの午前中の看板娘(ん?)、クリス智子さんもご一緒いたしました。実は毎年の「志の輔らくごに行く会」(?)は、数年前にクリス智子さんと落語に行こうと盛り上がったのがそもそもの始まりでありまして、そういう意味ではモチベーションの源。また行きましょう。


【「しじみ売り」収録CDはコレ】
志の輔らくごのごらく(3)「みどりの窓口」「しじみ売り」―「朝日名人会」ライヴシリーズ31
志の輔らくごのごらく(3)「みどりの窓口」「しじみ売り」―「朝日名人会」ライヴシリーズ31


ちなみに志ん生師匠ヴァージョンも。
古今亭志ん生 名演大全集 29 しじみ売り/道潅/小間物屋小四郎~大岡政談より~
古今亭志ん生 名演大全集 29 しじみ売り/道潅/小間物屋小四郎~大岡政談より~