メルシー志の輔師匠

代替文


 いやあ、よかったです。本日は毎年恒例「志の輔らくご in PARCO」。本年一回目の落語会。本年一回目の志の輔さん。正月は落語ですぜ、旦那。なので1月24日までの会期中あと2回行く予定。今日は「其の壱」プログラム。演目は以下の通りでした。

七福神の新年会」
「メルシーひな祭り」
(お仲入り)
中村仲蔵


七福神の新年会」は、最近世間に忘れられている七福神の皆さんがPRのために願いを叶えにサラリーマンの部屋にやってきちゃう、という志の輔さんらしい発想の軽い噺。噺の中で手品を披露したりして客席をなごませるセルフ前座的な位置づけでげすな。


「メルシーひな祭り」は、この「志の輔らくご in PARCO」で三度目の体験。とあるフツーの商店街にフランス特使の奥さんと娘さんが国宝級のひな人形職人を訪ねてやってくる。セキュリティーに必死な外務省官僚とざっかけない商店街の会長さん。そこからはじまる騒動を描きながら、最後は人情味あふれる展開に。ああ、またちょっと泣いた(笑)。ベタな噺なんだけどなあ。志の輔さんが紡ぎ出す、そこにいる「人」のチカラにやられます。


 志の輔師匠の真骨頂は、ストーリーの構築力と登場人物を演じきる演技力の相乗効果でありましょう。「中村仲蔵」はまさにその真骨頂。これはヤバイですよ、そこのアナタ! ←ボキャブラリーが少ないですよ〜。古典人情噺の「中村仲蔵」を再構築、歌舞伎を知らない人にもわかりやすい解説も入った親切設計、しかも人物ひとりひとりがキリリと立つ迫力の芝居。そう、落語は究極のひとり芝居(しかも演出家兼任)。それを本当に思い知らされますわ。昨年観た立川談春さんの「居残り佐平次」と並んで、ここのところのベスト。満腹です。落語はね、30年ぐらい観てきましたが、今ね、また面白くなってきてると思う。マジに。


 ちなみにワタシもかなりリピートして聴いている立川志の輔さんのCDシリーズは、落語入門にも最適です。落語を聴いてみたいけど「何から入っていいかわかんない」と思っている方にもオススメです。今日は時間ないので、後日ちゃんと紹介いたします。
志の輔らくごのごらく(4)「抜け雀」―「朝日名人会」ライヴシリーズ37
最新CD『志の輔らくごのごらく(4)「抜け雀」―「朝日名人会」ライヴシリーズ37