つげ忠男を読み直すような夜

代替文


 思い出しました。明日のGROOVE LINEのテーマ。「街の疑問」でーす。街にある素朴な疑問をゼシ送ってください。適当に解決します。


 つげ忠男劇場


 所用あって溝の口へと飛ぶ。実際には電車に乗って。溝の口とくれば吉田類センパイでもおなじみの闇市溝の口西口商店街だ。モツ焼きだ。ホッピーだ。迷い込めえ。


 まずは商店街の前に街道沿いにある[ひさもと]でホッピー。もつ焼き一本=100円。外で立ち呑むお客さん1名。中で赤ら顔の紳士4名+オレ。来し方にいろんなことがあって、それを踏み抜けてきて、チーンと音がして、結果どこか澄んだ目をしたおっさんたちであります。煮込みがんまい。


 適当に胃袋を潤したところで[かとりや]へ行ってみるべと早足。寒いから。中は満席。ま、いいか、と外で立ち呑む。もつ焼き一本=80円。焼き方のおとうさんの無愛想な親切がなかなかけっこう。路地を抜けてくる北風にあおられながら、風前の灯火と思えるひしゃげた店のあちこちをじいっと見ていると、ここにずっといたくなる。ちょっとアルコオルとオセンチのメートルが上がってますぞえ。シロんまい。つくねんまい。鳥刺し売り切れ。外では煮込みが食えずW残念。


 古典酒場放浪がブームである。ワタシは大学時代からブームの最先端を行っていたわけだな(笑)。なぜブームかといえば、財布が寒いからという理由もなくはないだろうけど、新しく作られたモノゴトに満足していないからじゃないかと思うのである。手垢が染みこんでいないモノゴトに白々しい期待しか感じていないからじゃないかと思うのである。そしてブームだからこそ、安普請のカウンターに20年ぐらい座っていそうなおっさんたちの年季の入った無口で玲瓏な呑みっぷりが羨ましいのではないかと思うのである。でも、そうなりたいと本気では思っていないのである。

 もう一杯か 塩でつくねの 焼けるまで (渡辺祐中年純情歌集より)


 で、ワタシはどうかといえば、落ち着いて呑みたいだけの呑助なのである。



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