酸辣湯麺ひとつで間違いないでしょうか?


 ん? いやちょっと待ってくれよ。そう真顔で聞かれると自信が揺らぐじゃねえか。本当にオレは酸辣湯麺を頼んだのかな? もしかしたらもうひとりのオレが頼んでいたとしたらどうしよう? 酸辣湯麺を頼んだはずのオレも確かにオレだが、頼んだかどうか戸惑っているオレは、いったい誰だろう?(以下、blog後半に続く)


 本日は、安齋肇さん、坊主頭で来社。うわこりゃ短いわあ。お坊さんっぽい(笑)。ナンシー関さん大ハンコ展の地方メディア用コメント録り&撮り。音声版と映像版。って言っても、音はADウメちゃんに手伝ってもらって収録、映像はワタシが撮ってるという手作り感覚ですけどね。


 その安齋さんともお友達の朝倉世界一さんから最新刊『DEBONAIR DRIVE(デボネア・ドライブ)』を送本していただく。これがまあ面白いのよ、アナタ。『月は何でも知っているかも』なんかでおなじみの幻想性が、こっちでは現実性へと寄った分、絵柄と「間合い」のふんわり感が活きております。ぼんやり進むロードムーヴィー、いやロードマンガ。好き。


 デボネア・ドライブ 1 (BEAM COMIX)


 電話の話なんすけど。電話の出方の話ね。本日、某チェーン系中華料理店にてワタクシは酸辣湯麺をめしゃがっていたのである。スーラーよろしく。あ、麺は細麺で。きたきた。つーるつるつる。わあすっぱいわあ。当たり前だけど。と、そこに電話が鳴った。お店の電話。我謝、いやガシャっと出る店員さん。受話器に向かっていきなり話し始めたフレーズがね、こうなわけよ。店名は仮名にさせていただいております。

「(ガシャ)ハイッ! ありがとうございます! 粗忽飯店○○○○駅北口バスターミナル前店、店長のクワタです! ありがとうございます!」

 ……長くない(笑)? もう最後の方には最初の方が思い出せませんよ。落語の「金明竹」みたいだぞ。のんこの茶碗か、キミは。どうも最近一般化しているこのマニュアルに沿った電話の出方がね、正直申し上げてキライなのである。だって言葉が無駄だもの。こっちはさあ、アナタがクワタであろうがキヨハラであろうがどうでもいいのよお。電話をしているのはコッチなんですからね、コッチに「用件」があるわけじゃん。それを早く言いたいのにですよ、言われる筋合いもない「ありがとうございます」とか、かけてるからわかってんだよ「○○○○駅北口バスターミナル前店」とかね、いらないじゃん。

「(ガシャ)ハイッ! 粗忽飯店です!」

 これでいいでしょ。言葉に無駄がない。でも、企業でも最近このマニュアルが流行っているようでして、こないだ某プロダクションに電話をかけたら、

「(ガシャ)ハイッ! ○○○○の宣伝課、新入社員のタカハシです!」

 だって(笑)。「新入社員の」? なんでそれを名乗られる必要があるのかなあ、ボク。そんな情報いらないでしょ。だいたいオレはオマエに電話しているわけじゃねーんだよ! あら、やあねえ、ガラが悪いわあ。

 その段でいきますと、こと最近の店の会話は無駄が多いのですよ。まず「お一人様でしょうか?」だな。見ればわかるだろ、と横山剣さんも歌ってますよ〜。続いて「禁煙ですか喫煙ですか」だな。まあこれはしょうがないか。「ご注文がお決まりの頃にうかがいます」……って、こんな狭い店で? すぐそばにいるだろキミ(笑)。でもって注文だ。「それじゃあ、この酸辣湯麺」「ハイッ! 酸辣湯麺ですね(と伝票に記入)」。でね、酸辣湯麺ひとつであろうがなんであろうが嵐が来ようが槍が降ろうがここで必ずこう言うじゃないの。

「それではご注文を繰り返させていただきます!」

 繰り替えさんで結構だ。ワタシもアナタもそこまでバカじゃない。



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