ハイボールはステアしていただけますか


 暴動


 スライ&ザ・ファミリー・ストーン@ブルーノート東京の報告が続々。スライ様のステージ滞在時間、なんと1stステージは「12分」。2ndステージは「10分(+袖で2分)」。やるなあ、さすがだぜ、スライ。バンド自体も良かったので、スライのステージ滞在時間だけでゆうてはいけませんが、日曜の国際フォーラム(36分滞在)に比すると、やはりコストパフォーマンスが……。いや損得じゃないのですよ、秘仏拝観のありがたみ(笑)のコスパという意味で。演奏内容の濃密さは、いつも通りに濃密な吉岡正晴さんblogでどうぞ。

【吉岡正晴のソウル・サーチン】

http://blog.soulsearchin.com/archives/002660.html

代替文


 とまあ、スライが南青山6丁目でトータル20数分間の希少パフォーマンスを披露している同時刻、ワタシは銀座7丁目にて[銀座 よし田]。湯豆腐旨かった。[よし田]は、名物のコロッケそばを始め、温かい蕎麦と小鍋が旨いので、秋冬の落ち着き先であります。ファッション業界的に書けば「A / W SOBAYA」ね。酒肴の品書きに「なめこす」というのがありましたが、動詞みたいで面白い。使用例:「今日はあれだな、疲れたからなめこしとくかあ」。


 河岸をかえて銀座の某老舗バーへ。50年ぐらいやってる店ですが、いわゆる「格式のある名店」という風情ではなく(失礼!)、ニッカ・バーに集う大衆の体臭が染みこんだような趣きで、そこが好きなのである。しかもね、昨晩のその店ときたら、これがまあ「コメディ映画か!?」というようなドタバタっぷりなんすから、もう大変なのなんのって。

 ワタシが入った時点で、入口のテーブルに外国人3名。この人たちは外人らしくビールしか頼まない。あー、いるいる、いるねえ、こういうお客さん。パブ代わりね。で、その状況にマスターが微妙に機嫌が悪い。さらに奥にはなぜか大人数のビジネスマン軍団。全員黒っぽいズボンに白ワイシャツ。ネクタイはすでにオフってる。まとめて見ると老けた高校生みたいだな、クールビズ。この集団が、まあ酔ってて大声出してて五月蠅いのなんの。当然、マスターの機嫌はどんどん悪くなる。まあ、そこはバーテンダー。お客には逆らわず黙々と、でもあからさまに雑に酒を作り続ける。イライラの当たる先は、まず酒作りです。ステアしろよ、その酒(笑)。そして、次がフロア係の「エンドー」くんであります。「エンドー、生ビールはオマエが作れ!」「そっちよりそっちが先だろ!」「エンドー、早くしろ!」と、カウンターのワタシにもハッキリわかる勢いで叱られるエンドー。頑張れエンドー。こっちのメートルが上がる前にマスターの憤怒メーターがレッドゾーンだぞ。そこに外から帰ってきたママさん登場。奥の声がでかい一群を見つけてまなじりが急角度で上昇、「なんなの、この客! 静かにしないと他のお客さんに迷惑でしょ!」と叫ぶやいなや、その酔客軍団に突入だ。「ちょっと静かに、お願いします」と忠告。ママの一喝にやや声のトーン下がって、関係ないお客さんにまでホッとした空気が流れたものの、マスターのメートルはまだ下がった気配なし。それどころか、別の客から大量のツマミの注文は入っててんやわんやだわ、エンドーはあいかわらず生ビールの注文をマスターに通そうとして「だから生は(オマエ)!」とアゴでサーバーを指示されるわ、ママはまだ怒ってるわ、外国人はビールしか飲まない上に、そのビールのグラスが欠けててクレームが来るわ、挙げ句の果てに件の「老けた高校生」のひとりがソファに座ったまま……吐きました。がらがらどっしゃーん。エンドー、早く新聞紙! エンドー、うしろうしろ!

 この間、約45分。ワタシは、その三谷幸喜コメディ的な、はたまたドリフ的な状況を肴に、ココロ静かにハイボールを2杯ほどいただいたのでありました。だいぶ雑な作りの。

 ああ、面白かった。



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