ハンコだから反転しておきました

 代替文

 久しぶりに乾いた舗道を歩いた気がする水曜日。梅雨入りだそうだ。お湿り月間。恵みの雨と思えば、まあ許せるものの、足下が嫌なんですよねえ、湿っちゃって。あと傘もキライ。さすがは元イギリス人だな。←もちろん嘘です。舗道と寝床はなるべく乾いていていただきたいものである。ま、特に寝床は。寝床が湿気っているほど切ないことはありません。定吉やおまえは泣いているがどうしたそんなに良かったかいわたしの義太夫。どこだい馬方三吉子別れか? 先代萩か? 違います違いますそこじゃありません。じゃなんだどうして泣いているんだ。あそこあそこです。どこだい? あそこのあたいの寝床が湿ってるんです。蔵の中に義太夫流し込んじゃってぐるーぐる。そっちの「寝床」ではない。落語のご通家におかれましては噴飯ものでありました。お後がよろしいようで。てけてんてんてん。


 ブログなので「お後」も自分だ。昨日から鈴木雅之さんのデュエット・ベスト『Martini Duet』聴きっぱなし。数々の名デュエット&コラボあれど、今回新録の「可愛いいひとよ」のバカ・カヴァーには笑って泣けた。アーティスト名義は「コック・マック&ノッキー」(鈴木雅之 With BRO.KONE & 木梨憲武)。ニック岡井さん追悼である。久々にコーンちゃんのJB節を聴く。6月25日リリース。


 Martini Duet


 その原稿仕上げつつ、昨晩はスージー甘金さんの個展オープニング。80年代からの旧作ペインティングに新作を交えた古典含みの個展です。行った時間が遅かったので安齋さんや薙野たかひろさんにはお会いできませんでしたが、それでも永井博さん、伊藤桂司さん、ヒロ杉山さん、本秀康さん、花くまゆうさくさん……とまあ、錚々たるお歴々に久しぶりにお会いできて光栄の至り。さすがだ鈴本さん。それいけ小松くん。ださいぜ木村くん。


 その足でナンシー関展仕込み中の渋谷[PARCO FACTORY]にパトロールに行ってみたら安齋さんがいた。そりゃそうか(笑)。今日も顔を出してきましたが、仕込み順調。明日からです。地下のLIBROでナンシーさんの本を買うとチケットがもらえたりもしますが、ま、300円ですから、オトナのアナタはとっとと払って見てください(笑)。夢に出てきそうなぐらいの一生分の消しゴム見られます。
 あ、新作ナンシー・グッズもあります。トートバッグは売り切れ必至とみた。公認消しゴム押し師(?)である妹さんが押した「版画」も販売。


 そのナンシーのハンコの海の中に居て思う。印刷というのは、世界を反転させることなのである。印刷とはあ、いーんさつとはあ、反転した世界をインクの染みとして紙に残すこと〜なのですねえ〜。さだまさし調。←意味はありません。ナンシー関は、「あらかじめ反転した世界」をやにわに掘り始め、そして彫り続けたのです。


 


 それにしてもここ三日間ぐらい故人の話しか書いてない気がしてきた。気のせい気のせい。



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