暗いクラブで逢おう、なんつて


 酒とバラの日々 [DVD]


 酒を呑む人と呑まない人(酒席に出たがらない人は別として)に差別も区別もほとんどないワタシだが、酒を呑む話と呑まない話だったら、呑む話の方がピンとくる。そりゃまあそうだね。
 だからこそローレンス・ブロックなわけで、ロス・トーマスなわけで、ブコウスキーなわけで、東直己なわけで、迂闊にも未読のまま48年と10ヵ月を経過してしまったジェイムズ・クラムリーもそうだった。
 『さらば甘き口づけ』。書き出しからして、こうですよ。

 私がようやくエイブラハム・トラハーンをつかまえたとき、彼はカリフォルニア州ソノマに近いひどい店でファイアボール・ロバーツという名前のアル中のブルドッグといっしょにビールを呑んでいた。晴れた春の午後をつくづくと楽しむというように呑んでいた。
 ──ジェイムズ・クラムリー『さらば甘き口づけ』(小泉喜美子訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)

 チャンドラー『長いお別れ』のオマージュは数々あれど、これまた然りと池上冬樹さんの解説で教えられた。あ、ほんとだ。こんな調子の酔漢だらけの小説を小泉喜美子さんが訳しているのだから業が深い。


 忙しいと、つくづくと楽しむというように呑めないのがいけない。明日に向かって酔えない。今夜はSCOOBIE DO(よかったねえライヴ。曲もネタもこなれてる)の[リキッドルーム]でビール&ダークラムソーダ&ビール。終わって蕎麦前にウーロンハイ2杯。以上。
 呑んでるじゃねーか(笑)。



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