ただ秘密のにおい立ちこめるだけ


 梅雨が明けました。夏が来ました。「夏はココロの鍵を甘くするはご用心」。阿久悠さんが逝きました。

「企み」の仕事術 (男のVシリーズ) 書き下ろし歌謡曲 (岩波新書) 歌謡曲の時代 悪魔のようなあいつ (上) (ニュータイプ100%コミックス―comic新現実アーカイブス) 愛すべき名歌たち (岩波新書) ラヂオ なぜか売れなかったが愛しい歌


 ワタシは、特に阿久悠さん思い入れが強いというわけではありません。大ヒット連発した70年代、個人的にあんまりアイドルに(演歌にも)興味がなかったですからね。「GORO」と「週プレ」のグラビア以外には。歌番組は好きで見ておりましたが、「このセットは凄い」とか「フリツケがヘン」とか「カメラ割は日本テレビがうまい気がする」とか(笑)、面白がるポイントがちょっと違っていたような。いわゆる「ナナメに見ていた」記憶あり。
 でも、モロに「スター誕生」世代でありますから毎週そのお顔は見ておりましたよ、中学時代。審査員席での表情からか「なんとなくとっつきにくいオトナ」の印象。まあ、中学生にとってはオトナはみんなとっつきにくかったわけですが。


 がしか〜し。実はかなり根深く影響を受けていたのだなあ、と、訃報に接して再確認したんですよ。それが何かと言えば、ワタシ、実は阿久悠フレーズ、阿久悠ボキャブラリィをけっこう文章やらキャプションやらに使っておりました。例えば、恋愛について書いた文章の最後にね、「あなたも狼に変わりますか?」なんて決め台詞っぽく引用したり。あ〜、やるね、やるやる、我ながら。引用でいいんよう。
 以下、そんなワタシが引用しがちな阿久悠さん名フレーズ。

「あなたがいてワタシがいて他に何もない」「あなたお願いよ席を立たないで」「もしもピアノが弾けたなら」「ブーツを脱いで朝食を」「憎みきれないろくでなし」「片手にピストルココロに花束」「気絶するほど悩ましい」「噂を信じちゃいけないよ」「どうにもとまらない」「もうイヤ絹の靴下は」「ワタシの名前はカルメンでっす」「リンリンリリンリリリリン」「ジョニーが来たなら伝えてよ」「朝まで待てない」「懺悔の値打ちもない」「さらば涙と言おう」「あなたに抱かれてワタシは蝶になる」「肴は炙ったイカでいい」「笑って許して」「あの鐘を鳴らすのはあなた」「ようこそここへクッククックー」「ペッパー警部よ!」......以下省略。


謡曲を聴くのは当たり前という昭和の日々にあって、脳内にとどまるフレーズをざくざく打ち込まれていたなり。これからも引用は止まらないと思いますが、阿久悠ボキャブラリィの伝承だと思って笑って許して。懺悔の値打ちもない(笑)。
 文章であれお喋りであれ、「引用上手・例え上手」には説得力がある。つかみはOKだったりする。何故ならそのワンフレーズ、ワンエピソードで「印象をはっきりさせられる」から。ということは「引用され上手」な阿久悠ボキャブラリィは、その言葉自体が説得力&つかみの滋味に満ちているのではないかと。合掌。

【あんまり関係ありませんが岡村ちゃん情報】
この方のボキャブラリィにもワタシはやられてました80年代。
岡村靖幸さんが単独ツアー
どうなっちゃってんだよ!


10月26日(金)10月27日(土)@横浜BLITZ
11月01日(木)@Zepp Sendai
11月07日(水)11月8日(木)@Zepp Tokyo
11月13日(火)@なんばHatch
11月14日(水)@Zepp Nagoya

【全然関係なくなくもなくなくないか?】
渋谷系にもやられてました90年代。
その渋谷系音源を小西康晴さんが編んだコンピ出ます。
bossa nova 1991 shibuya scene retrospective』。
8月8日リリース。文句なく買い。みんな声が若いよ(笑)。
bossa nova 1991 shibuya scene retrospective

[ディスク1]
01. BODY FRESHER/オリジナル・ラヴ 02. 恋とマシンガン/フリッパーズ・ギター 03. 大好きなシャツ(1990旅行大作戦)/渡辺満里奈
04. トゥイギー・トゥイギー/ピチカート・ファイヴ 05. MIKE ALWAY’S DIARY/カヒミ・カリィ
06. Love is Here~ Just Between You And I~/ラヴ・タンバリンズ 07. ジャズる心/les 5-4-3-2-1
08. 我が名はグルーヴィー/ピチカート・ファイヴ 09. BOND STREET/les 5-4-3-2-1
10. GOOD MORNING WORLD/カヒミ・カリィ 11. メロディについて/カヒミ・カリィ 12. Let's Fly The Ad-Baloon/Oh! Penelope
13. BOSSA NOVA NO.9/トーキョーズ・クーレスト・コンボ
[ディスク2]
01. baby blue/サニーデイ サービス 02. L'aventure Fantastique/ファンタスティック・プラスチック・マシーン
03. ノー・ラヴ・ソング/猫沢エミ 04. 25140/二ール&イライザ 05. Love so fine/マンスフィールド
06. ジェニーはご機嫌ななめ/ハイポジ 07. mississippi one/キュビズモ・グラフィコ 08. an apple a day /bice
09. いいじゃないの幸せならば夏木マリ 10. フローラル・エクスプレス/前園直樹 11. GROOVE TUBE/meg
12. 大人になれば/小沢健二 13. これから逢いに行くよ/スムースエース 14. ささやかだけど役にたつこと/カジヒデキ