バーニーズで頭を洗う午後


 久しぶりに時間があったのでぶらり新宿へ。昨日、e-STATIONの「THE BANSEN」撮りながら[新宿クリスタル]の話をしたからかしらねえ。いやいや寄ってませんよ。金輪際(笑)。たまに行きたくなるのが小田急線育ちの因果です。町田駅からロマンスカー。あらオトナだわ。おほほ。


 小田急線沿線は、そりゃあいろいろ変化しました。でもね、他の都心へ向かう私鉄に比べると、歴史が古いだけに鑑賞できる光景がいろいろある気がする。町田を出ると玉川学園や和光大学の学園ムード、柿生あたりのいまだに和風の田園風景、多摩川渡って岸辺のアルバム、いまじゃ高架になっちゃった経堂では駅隣接のマンションに植草甚一さんを思い、下北沢で降りたくてうずうずして、参宮橋あたりから速度が下がるとそこは新宿。遊びにきたあ〜っていう感じがするじゃんかあ。さすがは「生まれる前から」の新宿通い。[箱根そば]でコロッケ入れちゃうよ〜。

植草甚一スタイル (コロナ・ブックス (118))


 目指すは改装後大評判の[伊勢丹]の地下食料品売り場ですよ。今度のJ-WAVE e-STATION GOLDでもデパ地下取り上げるし、そろそろ行っとかないと。でもまあ、まずはメシですな、と西口から出て大ガードへ。思い出横町。っていうか「小便横町」。昭和の匂いを残す。ふらっと進入してみたら、おお、やってるじゃん、鰻焼きの[カブト]さん。午後2時開店ですかさず満席(笑)。土用の丑の日を前に、ビールと「一通り」注文して、おっさんたちと煙に燻されながら過ごす夏の午後。ああ幸せ。「一通り」というのは、エリ焼き(2本)、ヒレ焼き(2本)、キモ焼き(1本)、蒲焼き(1本)、レバ焼き(1本)。さらに塩蒲焼きなど追加しつつ、タレの油で鬼のように汚い電球の笠を鑑賞しつつ小瓶をもう一本。大阪から研修に来ているという若き女性がひとりでビール飲んでいて、周囲のおじさま方から大人気でした(笑)。
「店ともいえない、屋台に毛の生えたような店である。屋号もかからない。鰻を焼ぐ脂煙で何もかも黒くなっているからだ。」……と、これは池波正太郎さんの[カブト]来訪記から。「鬼平料理帳」にあるそうである。


http://www.unagidaisuki.com/kabuto.html
http://hw001.gate01.com/marimil919/g_kabuto.html


 でもって2千円とちょい。でもって体中から薫風ならぬ燻風を発しながら東口。でもって、こりゃいかん、と思って[バーニーズ]のトイレで頭を洗ってシャツを拭く(笑)。どこでも頭洗えるんですよ〜。さすが短髪。しかも毛量がひかえめ。[バーニーズ」なのはまだいいとしても、行為はすっかりホームレス(笑)。ちょっと申し訳ない気持ちになってなんか買おうかな、と思ったけど、お、コレいいね、と思ったニットのタートルネック(もう秋冬)が「38,000円」だったので、とっとと退散!


 しかして、[伊勢丹」の地下はすごい! こりゃ、いいわあ。「もし夢がひとつ叶うなら、新宿伊勢丹が欲しい!」と豪快に言い放ったのは女性放送作家の阿部ちゃんですが、ワタシは、もし夢がひとつ叶うなら、新宿伊勢丹に住みたい。


 さてと、そろそろ事務所行くか、という時刻。[DUG]にも[紀伊國屋]にも[disc union]にも寄れないにゃあ。2丁目の[きんかん亭]で蕎麦でもたぐって行こうかとも思いましたが、どう考えてもまだやってなさそう。深い理由はありませんが、これまた若い頃よく行っていた[鉄っちゃん]で「なかおち&光り物」で作ってもらった「二色丼」をもそもそ食べる。あんまりうまくなかった。

新宿DIG DUG物語―中平穂積読本 JAZZ GIANTS 1961‐2002


 バスで渋谷へ。この渋谷〜池袋間のバスに乗ると大学生だった頃のことを思い出す。思い出してお腹が痛くなる(笑)。渋谷からよく乗ったもんです。約30年前。