Wナポリタ〜ン

代替文


 箭内さん!!!!!!(←深い意味はありませんよ!)


 先日、ささき@材木町さん発見のサイトを見て以来、にわかにナポリタン部なのである。


 昨日はJ-WAVEでの会議終了後、六本木から渋谷東急プラザ裏に直行。喫茶ナポリタン好きの間ではなにやら有名な喫茶店[論]に。これがまた懐かしいテイストの、まさに喫茶店。レトロってわけでもなくね、イマドキでもない、70年代末〜80年代前半の、実に中途半端なアノ時代をホーフツとさせるわけですよ。まずなんたって入り口開けると妙なチャイムが鳴る。席は勝手に座る。全席喫煙可。メニューに年季が入ってる。つまりメニューに変更がないのである。コーヒーについてくるクリームは、あの小ちゃなミルク・ピッチャーに入ってる。思わず持って帰りそうだ。


 しかして、お客さん、ほぼ全員おっさん。打合せに商談、得意先のクレームをどう処理するかの真剣な話し合い、そして人生相談。サボり組みもちらほら。そのお一人様のお供はといえば店に備え付けのスポーツ新聞ですが、ここ[論」ではカウンターに数種類のスポーツ新聞がそれぞれ5部ずつぐらいずらりとスタンバイされているじゃないか。そうかそうか、読みたいお客さんが重なった時でもOKなんだな。TSUTAYAかと思った。


 着席。迷わず「スパゲッティ ナポリタン」。セットでブレンドコーヒー。来た来た。うわあ、これはいいわあ。太めの麺(やや茹ですぎ)にからむケチャップ。ソーセージ、ピーマン、タマネギ、そしてマッシュルーム。グリンピースのトッピングがご愛嬌。パセリ(やや開き気味)も定番。コールスロー添え。いただきま〜す。んぐんぐ。うま〜い。まったくもって喫茶ナポリタ〜ン。ジャンクだわあ。黙々と食うこと数分間。だいたいナポリの料理なのかね、これは。仮にそうだとしてもナポリにケチャップねーだろ。ヨーロピア〜ンだった跡形もないでしょ。完食。ナポリタン満タン。


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 その場の空気といい、そして懐かしいナポリタンの味といい、ワタシにはそのオレンジ色の食べ物の向こうに、あの頃の高田馬場が見えた気がした。1979年頃。早稲田大学第2文学部演劇科。形式上3年生。ナポリタンのナポリがイタリアだってことすらぼんやりしていた頃。部屋に電話がなかったから公衆電話で彼女に電話していた頃。彼女と友達の電話番号をそらで覚えていた、あの頃。


 その足で渋谷の古書店[Flying Books]をパトロール。久々でしたが、あいかわらずグッとくる文化系古書をしっかり品揃え。植草甚一さんも執筆していた50年代から60年代の「スイングジャーナル」バックナンバー充実。1959年7月号、つまりワタシが生まれた月の号をじっと眺めて買おうかと思ったけど寸止め。青山南さんの『アメリカ短編小説興亡史―とめどもなくあらわれるアメリカの短編小説をめぐる、めどもなくあられもない断片的詳説』を購入。装丁にも惹かれたゆえ。

 その棚の下には「宝島」。ワタシが編集部にいた80年代前半頃のバックナンバーがざくざくあって、なんだか照れくさい。それ以前、70年代、B6サイズ、大橋歩さん表紙時代のものも多数アリ。君は石である。


 すっかり70年代末気分になったところで、ぶらりと街に戻ってみれば渋谷焼き鳥エリアはすでに鶏焼くケムリでもくもくだ。夕方6時。サラリーマン、すでにメートルを上げている。まだ明るい。ケムリもくもく。ホッピーぐいぐい。夏っぽくなってきたなあ、とオヤジの独り言2007。


 本日はAmazon嵐山光三郎さんの新刊『とっておきの銀座』をオーダー。先日購入した『<ヴィジュアル版> 謎解き 広重「江戸百」 (集英社新書)』を読んで金曜日のJ-WAVE e-STATION GOLDのレキシ特集気分を盛り上げる。いずれにしても「サライ」への道は近い。
とっておきの銀座 アメリカ短編小説興亡史―とめどもなくあらわれるアメリカの短編小説をめぐる、めどもなくあられもない断片的詳説 <ヴィジュアル版> 謎解き 広重「江戸百」 (集英社新書)

 でもって、本日も事務所近くのカフェでナポリタン。え、また食ったの? これがホントのナポ・リターン。こちらはややアルデンテの麺に軽くケチャップがからんでいて味付けはピリッと辛い。イマドキってこういう感じかしらね。これはこれでうまい。