マーヴィンと3連敗で四月もバカ


 うわ、また負けよったでスワローズ(呆然)。開幕3連敗。春の嵐にサクラチル。ここからです。ここからですよ、古田監督。ベンチでのご表情が苦み走っちゃってますけどね。だけど、なにせエイプリルフールじゃないですか。と、自分に言い聞かせてる苦み走ってない、どっちかというと、しょっ走ってる47歳(照笑)。
 球春4月到来。しっかし工藤と仁志が横浜で門倉が巨人で……って、ややこしい。おじさん覚えきれな〜い(笑)。関係ないけど雑誌「エスクァイア日本版」見ちゃったもんで生ハム&チーズのことしか考えられない。誰かワタシをスペイン料理に連れてってえ。
Esquire (エスクァイア) 日本版 2007年 05月号 [雑誌]



 遅ればせながらソウル部からご報告。3月に出ている好盤2枚です。


 まずは、V.A.『セプテンバー~アース・ウィンド&ファイアー・トリビュート』。そうです、アース・ウインド&ファイアーさんに捧げるトリビュート盤。いやあ、これがアナタ、いいのよ。元の曲がいいのは当たり前ですが、だったらどのトリビュートも悪くなろうはずがないってもんですが、そうは問屋が卸さないからクリビツな音楽業界。ところがこれはそんな心配は杞憂でした。参加アーティストざっくり書くと、シャカ・カーン、アンジー・ストーン、レイラ・ハザウェイ、ミント・コンディションミュージック・ソウルチャイルド、カーク・フランクリンなどなど。シャカ・カーン様「シャインニング・スター」最高です。ミュージック・ソウルチャイルドくん「リーズンズ」うま〜い。ファルセット上等。なんて感じなので他に誰がどの曲をやってるかは各自チェックしてちょんまげ。とにかくアース好きは買って損なしとみた。ちなみにアチラのオリジナル・タイトルは『interpretations / celebrating the music of Earth, Wind & Fire』。アースと邦題は切っても切れない仲なのね。
セプテンバー~アース・ウィンド&ファイアー・トリビュート ←リンクに画像がありませんでしたよ。ユニバーサルさん。


 続いてはなごみの一枚。エイドリアナ・エヴァンスさん『El Camino』。オーガニックとかまあそういうフレーズで書きたくないんですけだ(笑)、実にナチュラル。柔らか仕上げ。朝っぱらから聴けるソウル。心のキズとヘコミに効くオロナイン軟膏。コリーヌ・ベイリー・レイをもうちょっとソウル側に引き戻した感じって言えばいいかしら。エイドリアナ・エヴァンスさんは以前から大好きでしたが、これは文句なくオススメです。
El Camino
↑うわ、こっちも日本盤リンクに画像がないや。レキシントンさん。なのでこちら外盤。

Adriana Evans ←こちら旧作(これもオススメ)。


 そんなこんなでソウル部活動中の4月1日。新年度。マーヴィン・ゲイ様の命日。昨日に続いてのマーヴィン駄文蔵出しいたします。こんなにソウルが好きということが、本日深夜1時過ぎからオンエアのTBS「ワナゴナ」とか見た人には、ちっともわかってもらえないだろうなあ(笑)。オレの中ではスジが通ってるんだが。そういう意味で「外見の分裂症」煩ってやんす。


【TBS「ワナゴナ」最終回】最終回のゲストがオレ(EP:25)でいいのか!?
http://www.wanagona.jp/


 今回は2年前のマーヴィン原稿ですよ、そのつもりで読んでおくんなまし。あ、以前にも紹介したと思いますが、マーヴィン・ゲイのDVD『ザ・リアル・シング・イン・パフォーマンス 1964-1981 [DVD]』はファン必見必携の一作です。持ってない方は買いましょう。買うというリスペクトもある。
ザ・リアル・シング・イン・パフォーマンス 1964-1981 [DVD]

渡辺祐駄文蔵出し「ねずみ穴はやったんべえな」】


「20世紀FUNKY世界遺産マーヴィン・ゲイさん」


 こないだお正月だったような気がしてたら、もう4月です。FMラジオからはやたらめったら桜ソング。サクラ舞い散るどうしたこうしたサクラの花がどーのこーのサクラお兄ちゃんはな(それは寅さん)。それにしても多いですな、J-POPの桜ソング。柳の下に2匹目の直太郎。ちゃんとヒットしたりするから侮れません。桜が好きなんだなあ、ニッポン人は。桜依存度高し。あと、学校依存度も高い。だって、例えばR&B/ソウル業界で、ここまで集中して「桜」とか「卒業」とか、同じテーマの曲がどんどん出ること、ないですものねえ。強いてあげればクリスマス・ソングがそれにあたるのかなあ。向こうは宗教的。こっちは情緒的。


 思うに「冬ソナ」「セカチュウ」あたりから「ごくせん」大ヒットに至るまで、どうも我が国は「まっとうな感動に飢えている」わけですね。今、泣きたい国、ナンバーワン。卒業、入学ってことに、みんな、そんなにドラマを求めていたのか!……と、そういうことに微妙に鈍感なワタシのような人間はちょっと反省。ま、そのワタシも「ごくせん」最終回にはちょっと泣きそうでしたが(笑)。


 さて、こうしてJ-POPの桜ソングにまみれる我が国の音楽業界ですが、R&B/ソウル好き(のオッサン)としては、4月と言えば忘れちゃならないメモリアル・マンス。そうです、あのマーヴィン・ゲイ様のお誕生日&命日がある大事な月だ。本名、マーヴィン・ペンツ・ゲイ・ジュニアさん。1939年(昭和14年)4月2日ワシントンDC出身。そして1984年(昭和59年)4月1日死去。ピッタリ45年間。あの日、訃報に接した時のことは忘れもいたしません。ちなみに現在45歳のワタクシは、当時24歳の駆け出し編集者でありました。あら、そういう意味では、亡くなった時のマーヴィン・ゲイの年齢を抜いちゃったのね、ボク……(複雑)。


 うわ、今書いてみて気づいたんですけど、マーヴィン・ゲイがこの世を去ってから21年経ってますよ、御同輩。驚き桃の木山椒の木。早いねえ。こないだのことのようなのにねえ。冷静に考えると、お若い世代の読者にとっては、単なる伝説上の人物ですね、これは。ヘタしたら生まれてないのか。生まれる前の人物だったのか、キミたちにとっては。ふわ〜。


 ちょっと調べてみようかしら……「ごくせん」の、というかKAT-TUNの亀梨くんが……1986年ってことは……生まれてません。あ、赤西くんの方は1984年生まれだけど……7月生まれってことは、やっぱり生まれてないですよ。お母さんのお腹の中でマーヴィンの訃報を聞いたね、赤西くん。もこみちはどうだ、速水もこみち……えっと、1984年8月生まれ……生まれてませ〜ん。ま、この「ごくせん」のイケメン3人組がBMRの読者かどうかは別として(笑)、この御世代の読者のみなさまにおかれましては、生まれる前の伝説ですよねえ。かくしてマーヴィン・ゲイ、過去の人となる。よく考えてみたら、ワタシ、あの時にああしてああなってれば、亀梨、赤西、もこみちのパパじゃないの、いやーん。息子がもこみちぃ。ありえないわあ。というか、あんな風には成りえないわね、遺伝子学上。くやしいわ!


 と、軽く両刀っぽいテイストでお届けしておりますが、マーヴィン・ゲイに関しては、実はこの世代間格差がヒジョーに少ない、というのも事実であります。今、メガCDショップに行ってもマーヴィン関連のCDいっぱい売ってるじゃないですか。無数にあるベスト盤に加えてオリジナル盤の再発もあり、以前にも涙にむせびながらご紹介した「デラックス・エディション」(未発表音源満載)もあり、アイテム数ではたぶんベスト10ぐらいに入りますね、店頭で。凄いことですよ、死後21年にしてこのアイテム数。


 ご存命の頃を知ってるオヤジなマーヴィン好きとしては、このままこの伝承の火を消さないようにしないといけませんな。伝えよ、マーヴィン。BMR誌編集部も頑張るようにな。←偉そうだね、キミ。


 レイ・チャールズがそうだったように、伝記映画があってもいいのかもねえ。でも、マーヴィン役が難しいか……USHERじゃないわよねえ……MARIOとか?


 妄想ついでに、もうひとつあり得ない話をしておくと、もし、今マーヴィンがご存命なら66歳です。良かっただろうなあ、60代のマーヴィン。そりゃもう、若手のレコーディングに引っ張りだこだっただろうなあ。それこそUSHERとデュエットとか、ビヨンセ様とステージで共演とか、アル・グリーンオージェイズとおっさん競演とか、R.ケリーにダメ出ししたり、マイケルの裁判に口出ししたり……(苦笑)。


 そう思うと、歌モノのクラシック・ソウルへの憧憬というのは、恐らくマーヴィン・ゲイダニー・ハサウェイを失った地点から始まっているのですね。いないからこそ、その幻影におすがりするのですよ。もし、この二人が生きてたら、今のR&B/ソウル界は、まったく違った発展の方向にあったかもしれない、と、歴史のいたずらをあらためて感じる2005年4月。桜咲き、桜散る季節。失った何かを思うなり。


 言ってみれば、ソウル界の「グランドゼロ」なんじゃないか、マーヴィン・ゲイ


[わたなべたすく]街の陽気な編集者。文化系ブラック・ミュージック・ファン。それにしても、世が世なら速水もこみちのパパだったとはなあ、と自分で書いておきながら、すこしヘコんでる45歳の春。これでいいのだ!


(初出:2005年5月@black music review)


というわけで、倖田來未さんのママと同い年の渡辺祐でした。ムスメがあんな姿を(笑)。