くいだおれの隣りもスタバだものね


 晴れた。スニーカーショップの店頭にビーサン並んだ。渋谷昼餉散歩。餃子食べた。TOWER立ち寄り資料CD購入。手に取った「風とロック」にオノレの写真あり思わずニンニク臭く辺りを見回す目つきも悪く。←寺山修司風。どこがじゃ(笑)。

【今日のB型的行動/「話が飛ぶ」】

 大阪道頓堀の[大阪名物くいだおれ]さんが7月で閉まるそうである。残念である。利用したことはほとんどないが、残念なのにかわりはない。客とはかくも我が儘な生き物であることよのう。先日も前を通ってお人形の記念撮影だけして[道頓堀 今井]でうどん食べました。「きつあん」も「かちん」も旨かった。余談である。


 開高健ルポルタージュ選集 日本人の遊び場 (光文社文庫) ずばり東京―開高健ルポルタージュ選集 (光文社文庫)


 賢明なる読書家諸氏はご存知の通り、ここのところ光文社文庫から出ている「開高健ルポルタージュ選書」に収められた『日本人の遊び場』にこの「食いだおれ」(同書内ではこの表記)の項がある。『日本人の遊び場』は、1963年に刊行された本なので、[くいだおれ]が当時革新的だった空調完備のビルに入ってまだ数年の頃の、壁中に「いらっしゃい コケコッコー」「今夜まにあう金玉料理」などと貼り紙がしてあった頃の、まさに大繁盛していた様が活写されている。ちなみに渡辺祐は3歳ぐらい、の頃の。

「一階から八階まで、どの階も古い大阪のゴテゴテ趣味でこのビルは飾られていて、にせものの金屏風が張りめぐらしてあったり、コモかぶりの四斗樽が積みあげてあったりして、“親密”と“自然”と“垢”がみなぎり、蛍光灯やデコラ張りのテーブルが青白くつめたく光るということがない。どの階にも体温がしみこんでいる。天井から大小無数の提灯がぶらさがり、その一つ一つに、「いらっしゃい コケコッコー」、「今夜……」とノタくってある。」
 (光文社文庫『日本人の遊び場』開高健著より)

『日本人の遊び場』は“レジャー”という言葉が生まれた頃の“庶民”のせせこましくも愉快な、大衆的でありながら孤独な“遊び場”が13章にわたって紹介されている。もちろん開高節なので“紹介”などというナマヤサシイものではありませんが。

「マンモス食堂というものも、また、日本の特産だと思う。」
 (同書より)

 特産マンモス、21世紀に倒れる。
 同じシリーズで刊行中の『ずばり東京』(東京オリンピックの頃の東京ルポ)と共に、ニッポンを見る目を鍛えてくれる本であります。



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