川勝正幸さんお別れの会

 昨夕、「川勝正幸さんお別れの会」が行われました。ん、いや、行いました、か。事務局だものねボク。と駄文モードになっている場合ではありません。

 ご報告します。

 「川勝正幸さんお別れの会」。青山葬儀所にて16時開会。白い花で祭壇を設えた会場。参列者は、約600名。その皆さまに、献花によるお別れをしていただきました。会場では、川勝さんの著書&作品、愛用品コーナーをご覧いただき、また、これからも川勝さんのことを思っていただけるよう、ささやかな品をお持ち帰りいただきました。

 司会はスチャダラパーBOSEさん&ANIさん。事務局を代表して渡辺祐からのこれまでの経緯のご報告と会のご案内のあと、東京スカパラダイスオーケストラからホーンズの4人&沖祐市さんによる「君と僕」。続いて、菊地成孔さんの、まさしく友に語りかけるようなご弔辞。

 ここで献花&談話の時間。BGMをDJプレイしてくれたのはDUB MASTER X(宮崎泉)さん。レストラン[タケハ〜ナ]の竹花いち子さんに談話室で川勝さんの大好きだった料理を軽食としてご用意いただきました。

 献花の列が途切れない状況でしたが、中断させていただいて、石熊勝己さん、町山智浩さん、柳下毅一郎さんによる思い出エピソード披露、そして、アレックス・コックスさんから届いた川勝さんへのメッセージ紹介。続いての宮沢章夫さんは、80年代の、あの日々を思い起こし、それからの時間を噛みしめるようなご弔辞。さらに、野宮真貴さん(with ギター・鈴木智文さん)に「マジック・カーペット・ライド」を献歌していただきました。

 DJをスチャダラパーのスウィンギン・シンコさんにお願いしての献花&談話タイムをはさんで、松本隆さんによる川勝さんに捧げる詩の朗読(with ギター・佐橋佳幸さん)。川勝さんとの思い出を散りばめた素晴らしいポエトリー・リーディング。

 最後に、ヤン富田さんによる謎のマシーン(名称不明)の演奏、そして、スティールパンの演奏。それをお見送りの曲とさせていただいて、18時過ぎに散会いたしました。

 ご参列をいただいた皆さま、ご都合が合わずご供花、ご弔電などの形でご参加いただいた皆さまに深く感謝いたします。また、この会の開催運営、御礼品の制作などに当たっては、たくさんの皆さまからのお力添えをいただきました、ありがとうございました。中でもSMAの原田公一さんには、この場を借りてあらためて御礼申し上げます。

 そのすべてが「川勝さんの力」であり、「川勝プロデュース」でした。

 最後になりましたが、今回は、いわゆる一般の川勝ファンの皆さまのご参加はご遠慮いただく形で行わせていただいたこと、大変に申し訳なく思っています。ぜひ川勝さんの偉業の数々を再読、再見、再聴することで、川勝仕事の遺伝子をこれからも伝えていってください。

 本当にありがとうございました。そして何より、川勝さんにありがとうの言葉を贈ります。


川勝正幸さんお別れの会」事務局・渡辺祐


(ここからは渡辺のいわゆるひとつのblogです)


 さて。開会、散会、撤収、痛飲から一夜明けて。今日のランチは[ムルギー]にしたのである。川勝さんの好きだった店だから。そういうことをするのはセンチメンタルに過ぎないのだけど、中年をこじらせてくると、そういうおセンチのメートルも上がったりしてやっかいで、まあ面白いところなのである。
 いつもの通り「ムルギー(玉子入り) 辛口 ご飯少なめ」を食べ終わったところでお店の方に声をかけられた。「失礼ですが、渡辺さんですか?」
 今まで名乗ったことも無かったので面食らっていたら「川勝さんのお知り合いですよね」と言われて合点がいった。
 お話をうかがうと、1ヵ月か2ヵ月に1度は訪れていたとのことで、お店の方とも短いながら会話をしていたそうである。最後に来店したのは、昨年の12月20日頃。
「決まった席があったわけではないですけれど、いつもお洒落で、来ていただくとすぐわかりました……本当に残念です」
 そんなお言葉をいただいた。
 かつて川勝さんは「はっぴいえんど少年」として、上京してすぐに「ムルギー詣」をしたのである。松本隆さんと親しいおつきあいが始まるきっかけとなった取材でも、松本さんと共にムルギーを訪れている。
 今日もおいしかったけれど、これからはもっとおいしく思えるような気がする。