明日のラジドとは関係ありませんが

代替文
 マクドナルドさんの前を通りかかったら「1971キャンペーン」なるものを行っているらしく、ビッグマックが創業価格の200円なのだそうだ。

 1971年、銀座にマクドナルドの一号店ができたときのことはうっすら覚えている気がする。うっすらと言っても毛の話ではない。1971年と言えば、渡辺祐少年は小学校6年生。頭髪はぼうぼうだったし、その他の部位に毛が生え始めた、いわば「毛の時代」の入り口にいたと言っていい。

 うっすらなのは記憶の方で、おそらくニュースか何かで見たかもしれないと思うのだけれど、いずれにしても神奈川北部の小さな住宅地の小学生にとっては遠い話だった。自慢ではないが銀座そのものにも3回ぐらいしか行ったことがなかった気がする。マクドナルドに晴れて入店したのは、その数年後か。たぶん高校生になってからだろう。いや、大学に入ってからかな。童貞だったかな。忘れた。

 銀座は地理的にも遠かったけれど、ビッグマックも遠かった。ハンバーガーが80円、ビッグマックは200円。もちろん今の感覚では「安い」のである。だが賢明なる諸君はお気づきの通り、物価というものを考えなくてはいけない。1971年=昭和46年の大卒初任給は「43,000円」であったと某サイトにあった。当時のかけそばは一杯100円。ビッグマックは、その倍、初任給に占める割合は、215分の1だ。

 現在の大卒初任給は、約200,000円である。ということは、それを215で割ってみたら……930円23銭。高い。80円のハンバーガーですら372円ぐらいになる計算だ。遠い話だったとは、そういうことだ。

 六本木に住んでいるイカしたお兄さんが、オープンカーの助手席に彼女を乗せて、シビれるビートの音楽を流しながら買いに行くような食べ物である。当然、サングラスは額の上に上げている。

 時代とは、ある意味でそういうバカげたテンションで出来ていて、そのテンションに憧れて、後押しされて、流されて、削られて、たどりついたら52歳。流木の気分である。

 余談だが、創刊時の雑誌「GULLIVER」には、世界各地の気温などを比較紹介する一覧表が載っていて、その一項目に「マクドナルドの価格」が入っていたのを思い出した。いろんな都市のハンバーガーの価格を円(ドルだったかも)に換算してあるわけ。あれは秀逸な企画だったなあ。相当に細かい、手間のかかるページであります。そう言えば、創刊時の「東京一週間」の映画情報欄では、全映画館の名前の横に「座席の写真」が載っていた。滅茶苦茶に手間のかかる編集姿勢である。どの椅子がどの映画館のなのか、校正する気にもならない。確か「餃子特集」では各店の餃子の長さや重さまで図示していた。編集部には、山田五郎さんがいた気がする。編集長だったっけ? だとすれば山田さんの仕業である。そして、創刊時、というのは、つまり、そういうことである。

 編集もまた、ある意味でそういうバカげたテンションで出来ていて、そのテンションに憧れて、後押しされて、流されて、削られて、たどりついたら52歳。流木の気分である。

 今回、マクドナルドさんは「1971年の実勢価格を再現!」って言って、ビッグマックを「930円」で売れば面白かったのになあ。ないか、それは。

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