金曜日ごとにこまめに放送していた頃のアレ

代替文


 ふむふむ。そうかあ、例のアレは「こまめに放送」してたのかあ(写真の右上をよーく見てね)。こまめに? こまめってどれぐらいの頻度のこと?

 ふむふむ。←昨日のコメント欄へのつぶやきです。

 朝から社内打合せして、Billboard Liveの打合せをすませ、J-WAVEに行ったり、西武の地下にできた[南翔饅頭店]を外から覗いたりして(入れよ!)現在に至るクン。

 先日、Twitter小宮山雄飛さん(本日J-WAVE PLATONご出演!)と「〜〜的な」もいいけど「〜〜調」もよろしく、といったレベルの低いつぶやき合いをしていて、ふと「あー、これなんだっけな……」と記憶の井戸から湧き水。そうだそうだ、オレ、一回書いてるわあ。

 というわけでつぶやきでは決して載せきれない駄文蔵出し。なんと2006年にJ-WAVE e-STATIONのサイトに書いてました。

渡辺祐駄文蔵出し「ねずみ穴はやったんべえな」】


 日本語が乱れておる、とよく言われます。ワタシなんぞ、46歳にもなって公共の電波に乗せて「っていうかあ」とか「みたいな」とか言ってたりして、有識者の方が聴いたら頭から湯気が出そうな日本語を平気で使ってますからな。丸谷才一さんとか永六輔さんとかに叱ってほしいですよ、まったく。ほら、こういう時にも「とか」とか使いすぎだし、ぜ〜んぜんダメですう。ちょい不良日本語オヤジ。

 その「ちゃんとした人」からみるとヘンな日本語の中でも、この15年ぐらいですっかり定着した言葉に「的」と「系」があります。最近では「アキバ系」とかね。「的」はもう何にでもつきますよ。よく自分のことで「ワタシ的にはね」って言ってますね。なんで「ワタシとしては」じゃなくて「的」なのか、まあ、よくはわからないわけですが、とにかく使う。ひどい例になると居酒屋さんに入ってですね、オーダーするのに「じゃあとりあえず、ビール系を3本的な感じでお願いします」……って、これじゃもうお店の人も何を何本出せばいいのかわかんないですよ。逆も使えたりするから面白いですね。「じゃあ、ビール的なのをとりあえず3本系で」。使う人は、もう、どんどん使いますね。「おでん系を適当に盛り合わせ的な?」……なんで半疑問型なんだよ(笑)。

 この「的」と「系」がどこから発生したのか、というルーツ探しには諸説あるようですが、ワタシがかかわっていた頃の「宝島」や「ビックリハウス」、それから「東京大人クラブ」あたりがかなり怪しい。主犯級だな、たぶん。80年代の初期から中期的な。確かに怪しいんですが、ワタシ的にも記憶がもうあやふや系だ。確かに「おたく系」とか言ってた的なことはありました、80年代から。「クラブ系」や「癒し系」なんてのは、いつから言ってる系なんでしょうね。

 さて、こうして日本語の乱れの一翼を担ってきたワタシ的には、そろそろなんか新しい刺激が欲しいですな。最近だと「オレ流」の「流」も定着しましたが、あんまり汎用性がない。「的」とか「系」というのは、「言い切らないことでざっくりさせる」というエッジをぼかすような効果があるわけでありまして、そういう言葉って他にもあると思うんですよ。例えばさっき使った「主犯級」の「級」とかね。「J-WAVE的なトーク」「J-WAVE系の音楽」なんてよく使うじゃないですか。これからは「J-WAVE級のトーク」「J-WAVE級の音楽」ってのはどうだ。ぼけてますかね、エッジが。よくe-STATIONの会議で「その企画、面白いんだけど、J-WAVE的にどうかなあ」なんて言われたりするんですけど、ボク。その場合の「的」のところが「級」だったら意味変わってきちゃいますよ。「その企画、面白いんだけど、J-WAVE級としてどうかなあ」。なんかもの凄く偉そうだ(笑)。

 あとなんかないかな。あ、「風」っていうのもあるぞ。「イタリア風家庭料理」みたいな。それはイタリア料理じゃないのか? でも、「イタリア的家庭料理」「イタリア系家庭料理」じゃもっとよくわかんないか。「イタリア級家庭料理」っていうのは……ちょっと美味しそう。「風」も使ってみましょう。「J-WAVE風なトーク」「J-WAVE風の音楽」……これでは完全に贋物感を鴨志田くんです(笑)。「風」は、ちょっと工夫の余地があるとみた。

 さらにワタシ的に最近気になってる系として、「調」というのがあります。「木目調」って言うじゃないですか。あれは「木ではない」んですか? 木じゃないけど木目の模様が入ってるんですう、ごめんごめん、ということですか? 46年間生きてきても、微妙にわからない。七五調って言うと、七五じゃなくてもいいのか?
  でも、そういう意味では「的」に近いような気もする。使ってみましょう。「J-WAVE調なトーク」「J-WAVE調の音楽」、ついでに「イタリア調家庭料理」。うーん、やっぱりなんか贋物臭がしますねえ。やっぱり木じゃないね、木目調は。

 こういう言葉というのは、基本的に雑誌の見出しに多用されると流行る、ということがございます。「ちょい不良オヤジ」がいい例です。「アキバ系」「ブランド系」「キレイ系」と、「系」は見出しの常連ですから、ここはひとつ各社編集長の見出しヴォキャブラリィに「調」を入れていただいて、「アキバ調」「ブランド調」「キレイ調」でお願いする的な。

 流行らないね、ゼッタイ(笑)。

(初出:2006年4月頃?@J-WAVE e-STATION WEB)


 く、くだらねー!

つぶやき通信】こまめにつぶやくとこまめに返されてこまめに見てないといけなくてこまめに携帯チェック。まめまめしい!