編集者は錦糸町にいる


 朝から錦糸町。駅前の巨大な雲古みたいなオブジェ眺めつつワハハ本舗稽古中のスタジオへ向かうという五月晴れの休日にふさわしい仕事っぷりである。目的は、ジジ・ぶぅさんの写真撮影&喰始さん取材。ジジ・ぶぅが1956年神奈川県生まれという桑田佳祐さんと同じプロフィールを持つことが判明。へえええええ。


 さっき資料探しで書店に行ってみたら、早川書房さんが「ミステリマガジン」誌上で立ち上げた「新・世界ミステリ全集」を選ぶという企画の一環で、選ばれた中から自社発行のハヤカワ文庫に「〈新・世界ミステリ全集〉を読もう! ミステリフェア2008」っていう帯を付けて大量に平積みするという、それはまあ、お財布にとって余計なことをしてくれていて、思わずジェイムズ・クラムリーの未読だった文庫購入。先日来のオレのハードボイルド・ブームに拍車をかける。はまると掘る。掘ってはまる。実にB型的。


 まぼろし闇市へ、ふたたび 続東京裏路地「懐」食紀行 まぼろし闇市をゆく 東京裏路地「懐」食紀行


 陋巷趣味情報。東京の元闇市のゴチャゴチャした路地の酒場を訪ね歩いては、昔ながらの酒の肴を喰い歩く本『東京裏路地〈懐〉食紀行』の「続」が出ました。1巻目も持ってましたが、この「続」も俗でそういう族に属するワタシにはゾクっとくる内容。著者は藤木TDCブラボー川上のお二人。登場する路地店の雰囲気といい、お二人の飲み食いっぷりといい、会話の内容といい、ただただ酒が呑みたくなる一方通行です。なにしろ視点が「残存する戦後」ですから登場する喰い物が「ホルモン」「めざし」「さんまの醤油干し」「肉豆腐」「串うなぎ」「鯨テキ」……とまあ、たまらんラインナップ。飲み喰いの描写は、いい意味で下品ですが(笑)、「裏路地酒場ものがたり」という読み物ページには、勉強になるヒストリー、じわっと来るエピソード。いかにも単行本、というモノクロの写真も味です。巻末には付録としてお二人のネタ本となった昭和27年発行の『露店』という東京都発行の資料を復刻収録。この付録だけで買う価値がある。

 しがみつくわけではないが、戦後の猥雑さをほんの欠片ほどでも知っている世代だけに、後期中年、その魔力に屈し難し。ダメねえ。矜持と諦観の狭間にて。


 というわけで、スワローズのことに何とかして触れずにblogを書いてみましたが(笑)、なにか?



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