上か下か?

【こんな写真のコーディネートしました】
フリペ「FLYING POSTMAN PRESS」の創刊100号を記念して行われる、
大阪FM802さんのイベント。
http://funky802.com/fpp100/
森俊之+亀田誠治+佐橋佳幸=森亀橋のアー写(リンクページの右側ね)の撮影ご手配。
FLYING POSTMANだけに「郵便配達人(ただし英国風)」の格好がしたいという
ご本人たちの希望を叶えのはスタイリスト・馬場圭介さん。
しかし、このイヴェント、メンツ凄いね!

代替文


ここ数十年、編集業以外のところでは「ちょっとした話題で1,200字ぐらいのコラムを書く」または「コネタで10分ぐらいしゃべる」ことを生業としております(笑)、渡辺でございます。blog向きとも言えますな、この駄噺体質。全体的に仕事のありようが「短いツッコミコメント&ショート・フレーズで乗り切る」という意味で「キャプション芸」とも言われています。うふふ、それはやっぱり「VOW」出身だからでしょうかしらん。


 今日も「ちょっとした話題」。実はASA-CAHNGからニュウ音源に原稿を書いて欲しい、との連絡がメーカーさん経由でありました。今回はなんと「畠山美由紀 with ASA-CHANG & ブルーハッツ」であります。ちょい先ですが10月3日リリース(タイトル未定)。おお、これはきっといいんじゃないの。今手元にサンプルがあるんですが、全10曲のスタンダード・カヴァー集。豪華メンバーの奏でるビッグバンドスタイルの演奏にのせて畠山美由紀さんが流麗に歌ってらっしゃる。フジロックで見た方も多いはず。詳細は発売日頃にご紹介いたしましょう。これからASA-CHANGに取材して原稿書きますし。
 ブルーハッツ&畠山美由紀さんの現在の最新音源はコチラ。

ASA-CHANG & ブルーハッツ『真冬の夜のブルーハッツ
畠山美由紀Summer Clouds,Summer Rain
Summer Clouds,Summer Rain


 畠山さんに最初にお会いしたのは確かJ-WAVEのスタジオだったと記憶。その時にね、ワタシが「いやあ、ワタシの中の“畠山”は美由紀に塗り替えられました」と発言して、畠山さんに失笑された覚えあり。だってさあ、俺たち昭和の子供にとって畠山と言えば「みどり」でしょ(笑)。苦労人でしょ。がしかし、平成の御代となった昨今(もう19年だよ!)、ワタシの「脳内畠山」は、美由紀さんの登場で更新されたと言っても過言ではないのであります。


 ここで問題なのは「畠山と言えば誰?」という、それそれの脳内に残る「脳内畠山」であります。この「脳内〜〜」問題はラジオ業界でも時折企画化されておりまして、よく街頭で「あなたにとってジョンと言えば?」とか「ジェイムスと言えば誰を思い出しますか?」といったレポートとかやってますね。この場合、「え? ジョン? えっと、コルトレーンですね」という人はすんごい少ない気がする。ジェイムスもですね、「ブラウン!」という人よりは「ボンド」とか「ブラント」の方が多いんじゃないのかしらね。


 この話をさらに匍匐前進させるとですね、どっちかでしか認識できないアーティスト、けっこう多いんですよ。「ねえ、オタクは誰のファンなの?」「そうだなあ、ボクは椎名かな」……って、これでは東京事変が好きなのか、椎名へきるが好きなのか、はたまた「はちみつぱい」が好きなのかわからないのであります。いや、桔平や誠や桜子の可能性すら秘めているのであります。世代格差がありすぎますけど(笑)。この「〜〜と言えば誰?」問題に関しては、「その例えを間違えるとホントにおやじ臭くなるので注意が必要だ」とみうらじゅんさんも以前より警鐘を鳴らしていらっさいます。
 とまあ、そんな駄噺をかつてBMR誌に書いたので、今日はそれを駄文蔵出し。2001年夏。今から6年前の原稿デス。

渡辺祐駄文蔵出し「ねずみ穴はやったんべえな」】


「20世紀FUNKY世界遺産レイ・チャールズさん」


 以前、某FM局で「アナタは“ジョン”といえば誰を思い浮かべますか?」と街頭で聞いてみるという好企画がありました。そりゃ、ジョン・レノンでしょ、というのが、まあオトナの常識というものではありますが、世代の違いや音楽の趣味によってはですね、ライドンだったり、ボンジョビだったり、マッケンタイアだったり、コルトレーンだったり、ベルーシだったり、トラボルタだったり(笑)するわけじゃないですか。さらにはエルトンっていうのもあったりしてね。


 これがソウル限定となるとですね、意外とファーストネームだけで特定できたりするわけですよ。特に大物は。マーヴィン、マイケル、ダイアナ、アレサ、スティーヴィ、カーティス、オーティス、クインシー、ジャネット、ルーサー、プリンス(ん?)。とまあ、ソウル好きであれば“アイツのことだろ、それは”と脳内のファンキー中枢で即座にわかることになってます。逆にですね、ゲイ、ジャクソン、ロス、ワンダーって呼んでみると猛烈に新鮮ですね。「君はソウルで誰が好きなの?」「そうねぇ、ヴァンドロスかなぁ……」。誰だよそれは(笑)。


 この例で行くとジャズは圧倒的にファミリーネームですよ。マイルスはファーストネームだけど、エリントンとかパーカーとかコルトレーンとかミンガスとかはファミリーネームでしょ。誰もモンクのことをセロニアスって呼びません。ジャズは苗字好き。


 ところがであります、どんなことにも例外があるもんで、このファーストネーム・パターンにもファミリーネーム・パターンにもあてはまらないヒトがいるじゃないですか。例えばJB。誰も言わないでしょ、ジェイムスって。ブラウンっていうのもナンだなぁ。ま、JBっていう愛称はあるにせよ、やっぱJBは“ジェイムス・ブラウン”とフルネームで呼ぶのが正しい和風ソウル道の掟であります。あとアイザック・ヘイズもそうですね。アイザックだけじゃ目薬の名前みたいだもの。ジャズ系フルネーム派の代表はなんたってローランド・カークでしょう。ローランドだけでも、カークだけでも明らかに別人ですぜ、ぶひぃ〜ばふばふばふ、ぴろぴろ、ばばぶばばばばば(たくさんの管楽器がぶらさがってる様を表しています)。


 そして! ソウル界において、このローランド・カーク級にフルネームで呼ばないとしっくりこない男、それがレイ・チャールズさんです。レイじゃなんだか尻切れトンボだし(注:映画「Ray」公開前の原稿です)、チャールズじゃジョーク好きの皇太子みたいだしねぇ。まったくもってレイ・チャールズこそ“レイ・チャールズ”でなければならないじゃないですか、諸君の皆さん。もしかするとこれは、我々の無意識化に潜む彼の音楽性へのリスペクトなのかもしれない。今思いついただけですが。


(初出:2001年7月@BLACK MUSIC REVIEW)


 かくいうワタクシも「渡辺」では世間に認識されておりません。ガキの頃から同級生以上には全員「タスク」と呼ばれ、下級生からは「タスクさん」。仕事をするようになってからは初対面の人からでさえ「タスクさん」と呼んでいただいて可愛がっていただいております。渡辺はどこへ行った。
 そうしたらね、先日、J-WAVE e-STATION GOLDにゲストに来ていただいた横山剣さんが「ワタナベさん」っておっしゃってた気が(上がってたのでよく覚えたないんですけど)。さすが剣さん、礼儀正しい。
 あ、そうそう。「わたなべたすく」という名前は珍しいようで実は珍しくないのでありまして、なんとワタクシ、8月12日に新宿で行われた「全日本ブラジリアン柔術ジュニア選手権」におきまして「ミリン男子(〜27.0kg)」の部で準優勝しておりました!

【渡辺たすくが準優勝!】
http://blog.dougiya.com/?eid=310075


 知らなかったな、オレがブラジリアン柔術の使い手だったとは! ←アンタそりゃ落語の「粗忽長屋」だよ(笑)。
 上の名前か下の名前か。うーん、ほらね、「ちょっとした話題」だったでしょ(笑)。書いているのは確かに俺だが、書かれている俺はいったい誰だろう。