30年目のハンバーグ

代替文


 ううむ、ナンシー関さんを悼むの宴で飲み過ぎた。ゴゴイチまで爆睡。で、事務所掃除の続きを慣行。整理している本の山から田中康夫さんの『いまどき真っ当な料理店』(1996年刊)が出てきたのでパラパラ。うっかり新宿[アカシア]のページを熟読。「十九年前の浪人中に知ったアカシアは、大学入学後に僕がブチックの販売員、ディスコのDJ見習いを務めていた時期も含めて今も猶、貴重なる新宿の“台所”です。」(以上、同書より引用)というシメのくだりに辛抱たまらず新宿へGO! なんと改装しました[アカシア]さん。隣に広くイマドキなスペースができて、あの“お帳場”風な雰囲気がいい感じだったレジカウンターはなくなってます。これまたいつの間にか「ロールキャベツ一貫」で頼めるようになったメニュー。しばし試案の後、「ロールキャベツ一貫+ハンバーグ+ライス」という、本の中でも田中氏推奨の組み合わせに着地。ハンバーグのソースがね、独特でいいんですよ。よく考えたらワタシも高校時代からここでコレばっかり食べてきた。約30年であります。30数年目のハンバーグに満足満足。ま、ある意味でブリリアントな午後(笑)。


 田中さんはワタシの3歳年上、ちょい上の世代。でも同世代感はあんまりないかなあ……大学時代の生活圏が違いすぎるからなあ、[アカシア]以外は(笑)。同世代といえば確か1つ上のアニキである斎藤誠さんのニュー・シングルのサンプルいただきました。タイトルは「天気雨」。このタイトル曲もカップリングの「夢のリスト」「チェリー」(スピッツのカヴァー!)も斎藤切ない節全開ですよ。ああ、切ねえ。サザン(など)でおなじみのギター・プレイはもちろん最高ですが、歌もいいなあ、あらためて。オススメです。
天気雨


 そういえばワタシ、斎藤誠さんのアルバム・ジャケットの制作コーディネートをさせていただいたことがあります。アルバム『Dinner』。デザインは中嶋佐和子さん。写真は三宅勝士さん、メイクは中野明海さん。いいスタッフじゃないですか。我田引水。今調べてみたらこのお仕事も1996年だった。先の田中康夫本と同じ年かあ。11年前かあ。その後、KEISONのシングル「男の世界」(ほか)でもご一緒しました。斎藤さん=サウンド・プロデュース&アレンジ、ワタシ=日本語詞。
男の世界          (CCCD) 太陽のあたる場所(A PLACE IN THE SUN)(CCCD)


 ここのところ、桑田佳祐さんシングル、斎藤誠さんシングルと「いいオトナの男」のナイス音源が続いてます。その中でもう一発、佐野元春さんのアルバム『COYOTE』がイイ! 派手じゃないのにかっこいいんだ、これが。全編を貫く、旅をするように生きる人の矜持と諦観、にシビれます。佐野さんって「洋楽のように日本語で歌う人」だと思っているんですが、その音楽への間合いがね、いい意味で熟練の域。3曲目「君が気高い孤独なら」は名曲だす。ホエホエ。どうやら売れている模様。いいことじゃないですか。
COYOTE(初回限定盤)(DVD付) COYOTE(初回限定盤)(DVD付)