おっとせいは強そうでいい

代替文


 雨降って蒸し涼しい。室内だと汗ばむわあ。イメージ的には太陽とシスコムーンだな。←なんじゃそりゃ(笑)。しかも本日はJ-WAVEの取材でタイ料理食べてきました@自由が丘。辛かったっす。うまかったっす。汗かいたっす。「どこまでが額でどこからがハゲなのかわからない」ことで知られるワタシですが、その「どこまでが額でどこからがハゲなのかわからないけど額(自称)」に汗をかく。ついでに後ろアタマにも汗をかく。そこがおっさん。おっさんの刑事さん(EX:坂上二郎さん)が「ハンカチで後ろアタマを拭きながら登場」というあの芝居は、オトナになってみたら意味がよ〜くわかりましたとさ。あと、アレだ、おっさんが「定食屋さんで爪楊枝をくわえるの図」ね。おとうさん、お茶でクチをくちゅくちゅしないでくださいな!


 ご飯を食べ終わったお茶碗にお茶を注いでいる家庭はどれぐらい残存しているのでありましょうか2007。
 サントリーの「ビンゴ★ボンゴ」のCMを見ながらユースケ・サンタマリアのことを思った人が何人ぐらいいるんだろう2007。


 まだまだバタついてますが、なんとかなります(楽観的)。昨日は久々に久住昌之さんにお会いしました@某企画打合せ。相変わらず、自分の興味のおもむくままに執筆活動中。その結果が本になって売れている。いやあ、フリーランスの鑑ですな。
 じゃあまあ、ワタシも久々に興味のおもむくままに書き散らしております駄文の蔵出しでもやっておきますか。コチラ↓わりと最近。昨年4月頃。J-WAVEのWEBに書いた原稿。またぞろ「スポーツ選手の名前関連」です。好きだね、キミ。その話題。

渡辺祐駄文蔵出し/ねずみ穴はやったんべえな】


「喫茶陸奥嵐


 ワールドカップが近づいてきました。にわかファンなりに勉強しようとオフィシャル本を見てみるのですが、載っている各国の選手名があまりにややこしくて、こりゃあ中継アナは大変だなあ、といらん心配の方で頭がいっぱい。だいたいあまりサッカーに詳しくないワタシのような者は、ジーコ監督の「ジーコ」は本名ではなくてあだ名、というトリビアを聞いた時の衝撃が忘れられません。そっちの話の方がサッカーそのものより面白いぐらいですよ。ロナウジーニョも、ロナウドの小さいの、みたいなことだそうで、ブラジルの人は名前に対する感覚が変わってる。なにせ世界的な登録名があだ名だ。「ジーコ・ジャパン」と躊躇なく呼んでいるけれど、それって「欽ちゃん球団」というのに近い気がする。我が国だと野球界にイチロー(本名だが)とかパンチ佐藤とか、最近ではGG佐藤(ジジ臭いから)がいますが、そう考えるとそのセンスの祖である仰木監督はブラジル人だったのかもしれない。まあ、ブラジルでは、あのペレからしてあだ名なんだから、歴史が違う。昨日や今日じゃない。


 昨日や今日じゃない、と言えば、本名ではない名前でスポーツをする人たちが我が国にも古くから存在する。そうです、お相撲です。関取衆。四股名。完全な芸名です。全体には伝統的な文字を使ったり、部屋に伝わる名跡を継いだりして、いわゆるまっとうな名前も多いわけですが、近年は外国人の関取が増えたおかげで、ちょっとどうかしている風潮が感じられて、ワタシのような者は大変に嬉しい。琴欧州黒海、星安出寿に星誕期。北の湖部屋にはロシア出身の大露羅(オーロラ)もいる。誰かが「どうかしてますよ」と言ってあげなくていいのだろうか。


 この四股名問題に関しては、立川談志家元が関取の登場する落語のマクラでよく「今の関取も、もっと面白い付け方すりゃあいいのになあ」とぼやいてます。実際に落語に出てくる四股名に「川魚」とか「竿竹」とか「鬼の臍」なんてのがいて「好きなんだよねえ、こういうの」と、自身が最高の落語ファンである家元らしいぼやきっぷり。「川魚なんて弱そうだ」と思うかもしれないが、落語の中ではこの川魚がヴェテラン力士で「川魚の古いのにあたると怖いってよ」というくすぐりになってる。好きなんだよねえ、そういうの。


 そんな折り、「いいとも増刊号」を見ていたら、相撲通のデーモン閣下と雑学通のタモリさんが「昔の四股名は凄いのがあった」という話で盛り上がっていた。「猪シ鍋吉(いのししなべきち)っていうのがいたり」という話。見ましたか? 面白そうな話だったので、ワタクシ、ちょいとと調べてみました。調べてみたって言ったってWEBにしっかり「珍四股名大全集」というページがありましたので、そこを訪問してみただけですが。皆さんもぜひどうぞ。検索すればすぐ行けます。


 で、そのサイトから引用させていただきますと、いますなあ、珍四股名。「猪シ」に続く動物編では「膃肭臍市作(おっとせいいちさく)」とか「たこ勇熊吉」とか。共に明治の力士のようですが、明治時代の角界はどうかしてますよ。「電気灯光之助」に「軽気球友吉」に「スッテセル寅次郎」に「〆切り玉三郎」だって。〆切りってなんだ? 呼び出しさんも大変ですな。こなた電気灯、でんきとおぉぉぉ、かたや軽気球〜けいききゅぅぅぅぅ。ずばり「文明開化」という力士もいますが、文明開化の人たちのネーミングセンスは、どうやらどうかしていたようである。ジーコぐらいで驚いている場合ではない。灯台もと暗し。


 さて、今回のタイトルの「喫茶陸奥嵐」の話に行く前に紙数が尽きました。え? WEBなのに? そんなこんなで「喫茶陸奥嵐」の話はPodcast版を待て。引っ張るほどの話じゃないんですけんども。


(初出:2006年4月@J-WAVE e-STATION TASKBAR)


 あはは、喫茶陸奥嵐。←思い出し笑い。コレはですね、ワタシが高校生の頃に悪友と考えた「フリージャズしかかからないジャズ喫茶」の店名です。今考えてもゴリゴリでバリバリで、実にいいネーミングだなあ。陸奥嵐ってね、大酒のみで「釣り落とし」とか豪快というか乱暴というかな技を得意とした、自由度の高かった(笑)昭和の関取です。エリック・ドルフィーが聴きたくなってきた。
アット・ザ・ファイヴ・スポット VOL.1 アウト・トゥ・ランチ