鳩レースって見たことないな


 お弔いに行ってまいりました。痩身化成功ゆえまたまたブラックスーツだぶだぶですがね。こうお弔いが続くと、早く買わねばですよ、と思うのだが、その心持ちがイヤじゃん。仮想弔いへの準備をするのである。複雑であります。


 亡くなったのは、著名なミュージシャンの奥様。なのですが、先日書いた通りワタシの友人のお姉さんなので、ワタシはつい「お姉ちゃん」とココロで呼んでしまう。さすがにご供花の名札にはニッポンを代表するアーティストの名前がずらり。サザンもユーミンもいらっしゃいます。ゴンチチ(カタカナ表記だったっす)、福山雅治鈴木雅之森田一義……とあらまあ、ワタシがお仕事したことのある、いや、絶賛お仕事している中の方々も多数。そのことにある種の感慨を覚える。ちなみにお通夜にも告別式にもアーティスト多数参列。ワタクシもCHARAさんと夏木マリさんに黙礼。難波弘之さんもお見かけしましたけど、まさかね、この黒服だぶだぶなおっさんがね、若い頃に難波さんのフェンダーローズを日比谷野音のステージに運んでいたとはご本人は思うまい、うわっはっは。そんなバイトもしてました1980年当時。しっかし、難波さんのキーボードを全部ステージに上げる仕事はしんどかったのう(遠い目)。亡くなった「お姉ちゃん」とオレの青春に合掌。


 お葬式の空気に「ついうっかり笑ってしまう」というのは蛭子能収さんである。確かに、あまりに非日常的な緊張したシーンに出会うとうっかり笑っちゃう人、いなくもなくない。ワタシも「どうにもいたたまれない」感はあります。落ち着かないんですよねえ。ついウロウロしちゃうんだよなあ。このままだと「お葬式の一日を描いた面白い映画」を撮りかねない。←もうあるよ、それ(笑)。


 で、今回もウロウロしてみましたあ。それがさあ、ウロウロしてみるといろいろ発見があるもんですよ。まず前述のご供花の名札の中にご夫婦で連名というのがございます。松任谷夫妻、とかね。その中にですよ。「杏里 リーリトナー」っていうのがあってさ、うわ、そうだったそうだった。忘れてたあ。いや、そうなんですよ、ご夫婦なんだけどね、なんつうの、そのシチュエイションのせいか、ちょっとだけ面食らいました。
 ご葬儀が執り行われた会館の周囲も歩いてみたですよ。葬儀中お散歩。ある建物の前でワタシは我が目を疑いましたよ。4階建てぐらいのビルなんですけど、そのビルにね、こう書いてあるわけ。
「日本鳩レース協会」
 え? 鳩レース? 協会? あるのかそんな協会! しかも、よく見たらですよ、ビルの上部には英語で「JAPAN RACING PIGEON ASSN.」て書いてあるじゃん! ほお〜、やっぱり新沼謙治さんは入ってるのかしらん、などと感心することしきり。ところがね、この物件のツボはここからなのであります。そのビルの4階、と思っていた部分をよ〜く見るとですね、その階がね、いいですか、全部「鳩小屋」なんですよ(笑)。屋上って感じじゃなくてさ、ビルの最上階が鳩小屋。敷地面積と同じサイズの鳩小屋。エレベーターで4階押すと鳩小屋。ビルの設計段階で鳩小屋をビルドイン。ぽっぽ〜。どんだけ住んでんだ〜! ワタシが鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていたのは言うまでもない。
代替文


 最後になりましたが、ご焼香を待つ間に、ワタシの前にいらっしゃった男性のね、黒い喪服のね、その肩から背中にかけてがビックリするぐらいの「雲脂(ふけ)だらけ」でした。さしずめ粉雪。こんなところで初雪を見るなんて。

「初雪や と思いきや フケ喪服」(渡辺祐純情詩集・男の服飾編より)


 お弔いの帰りは、築地[大森]でカレーと牛丼の元祖あいがけ食べた。ここんちは牛丼の「豆腐」が決め手ですな。うまい。土曜なのにすごい人出。場外のラーメンやさん大行列。ちなみにいま「あいがけ」って打ったら「愛崖」って変換されて、なんかドキドキした(笑)。


 追伸。先日、スクービードゥーのラーメン先生ことオカモト“MOBYタクヤさんがお土産にくれた青森のラーメン屋さんのカップ麺「長尾中華そば[こく煮干(醤油味)]」っていうのを食べてみたんですけど、うまいよ、コレ。さすがラーメン先生。ま、オレが煮干し好きなせいもあるかもしれないですけんど。青森でしか売ってないんですかね? だとすれば青森土産にゼヒご推薦したいものでありまする。
 追伸の追伸。先日、SSTVでもらった北海道土産「じゃがポックル」もうまかった。あれはなるべく東京でも売って欲しいものである。