アカシアは給食の味がする

代替文


 なんたって“小田急育ち”。久しぶり新宿にパトロール出動。おや、珍しい。久しぶりなので定番コース。新宿西口を出て想い出横丁。変わっちゃった店と変わらない店が混在。変わらないと言えば昼下がりだってのに[カブト]でメートルを上げているおじさんたち。電球の油汚れ健在。ちょっとニンマリしながらココロで最敬礼を送りつつ通過、大ガードくぐって[二光]の裏へ(古!)。[百果園]でパイナップル食って[越後屋]で塩豆買って……っていうのは学生時代のワタシ。今回はそこんとこはパスしつつも[アカシア]でロールキャベツと牡蠣フライ。セットで1,000円。[桂花]はもう食えません、47歳と7ヵ月。

渡辺祐駄文蔵出し「ねずみ穴はやったんべえな」】

 僕がひとりで新宿を歩けたのはたぶん高校2年の時だった、と思う。僕がご卒業なさった高校は神奈川県の藤沢市にあった。試験を別にして、いちおう出席の3分の2をクリアーしていれば卒業させてくれるというアバウトな学校だったので、2年の頃になるともう授業は休むは、タバコは吸うは、酒は飲むは、シャブは打つは、女は売り飛ばすは、もう大変でありました。


(初出:1989年単行本『来るな!』への書き下ろし「僕が新宿を歩き始めた頃」より)


 想い出の映画館[新宿ローヤル]、うんにゃ今は[バーニーズ]の横からおでんの[お多幸]の道へ。ここにあった安い中華屋さんって何て名前だっけねえ、と失われた記憶にがっかりしつつ、昔はよく打合せしたもんだ、あの頃の建物が好きだったなあ、と感慨深い[TOPS]通って[伊勢丹 MEN'S]へ。ベルト購入。ちょっと痩せたらベルトが合わなくなった。痩身散財。

渡辺祐駄文蔵出し「ねずみ穴はやったんべえな」】

 腹が減った場合は[アカシア」のロールキャベツか[石の家]でジャージャーメンか紀伊國屋地下のスパゲッティ屋[ジンジン]でメシ。


(初出:1989年同上)


 あ、[石の家]か、中華の店。煙草が吸いたくなったので[DUG]にて喫煙&珈琲。600円。紀伊國屋で[加賀屋]に立ち寄りパイプの棚を10分鑑賞。パイプ始めたら完全にベレー帽が似合うなオレ(笑)。タケイグッドマンにご指導願おうかしらん、パイプ。開高健でも読もうっと。ここの地下のトイレで制服着替えては遊びに行ってた高校時代を回顧しつつ、紀伊國屋で「サライ」(落語特集)、「東京人」(吉原特集)、「ミステリマガジン」(2006年翻訳ミステリ特集)購入。うわ、こりゃあ、おっさんだ。パイプまであと1マイル。この界隈と言えば[鳥源]で水炊き食べたい。景山民夫さんとよく来たもんだったな、80年代。
サライ 2007年 2/15号 [雑誌] 東京人 2007年 03月号 [雑誌] ミステリマガジン 2007年 03月号 [雑誌]


 さすがに真っ昼間なのでゴールデン街のパトロールは断念して、伊勢丹を[末広亭]の方に渡ったバス停へ。ちょうどこのバス停の前のあたり、伊勢丹の一階にあったワイン飲ませるお店、なんて言ったっけ。泉麻人さんに聞けばわかるな、確かその店でデートしたりしてたシティーボーイ仲間(笑)。バスは一路明治通りを渋谷へ向かう。この路線好きなんだよなあ。学生時代は渋谷から高田馬場までよく乗ったもんですよ。ジャズ喫茶[GENIUS]とかの帰り。しかも渋滞すると1時間以上かかっちゃって、それでよく授業に遅刻。そのまんま授業受けずにすぐ飲みに行ったりしてたもんだ。さすが夜学。それぢゃあ卒業できるわけがない。

渡辺祐駄文蔵出し「ねずみ穴はやったんべえな」】

 新宿はひとりで歩く街だ、と勝手に思いこんでいる。ま、金のない学生が徒党を組んで飲み歩くのは仕方がないにしても、サラリーマンや妙な業界人や、それにガキのカップルが肩組んで歩くのはいただけない、と勝手に思っている。(中略)新宿は男も女もひとりで来る。そしてふぬけのように歩く。(中略)この街にやってくると、友達も上司も後輩も恋人も「あてにならない」のが良くわかっちゃう。あてになるのは、そこで、現地で出会った人間だけである。あとは自分。いろいろとご意見はございましょうが、少なくとも、この僕はそういう気分になっちゃうのだからしょーがない。


(初出:1989年同上)


 やっぱりワタクシ、小田急育ち。今は渋谷を中心に動いていますが、ソガイ感は渋谷の方が感じる気がする。いつも居るのにソガイされてる渋谷、いつもは行かないのにソガイされてない新宿。出自のモンダイか。


 新宿は面白い。そして、ひとりで歩くに限るのである。


 以下、事務所にて。スクービードゥーの新譜(4月リリース)の録れたて音源が来てた。いやっほう。うわ。こりゃドがつくスクービー節。節オンリー(笑)。節の濃縮還元。メジャーのタガがはずれたら芯が出たな、キミたち。快哉。さらに安斎肇さんからなにやら感謝のお手紙&Tシャツとバッグが届いてました。いえいえこちらこそいつもすいません。昨日、2年間の南米放浪から帰った栗本っちゃんからいただいた「旅とリズム」のお手製CD聴く。いいねえ、これ。2年間に買った600枚(!)の音源からのなごみラテン曲集。南米の音楽を広めるお仕事、うまく行くよう祈ってます。あと届いてたのは請求書数通。コバキミから電話、メシ会の予定を無理矢理入れられる。早く紐育に帰りやがれ!


【栗本斉HP/旅とリズム】
http://www.tabi-rhythm.com/


 ちなみに本日はダメ人間が集積する酒席に出席してまいります、その名も「(ちょい)ダメ人間の会2007」。なんじゃその会(笑)。ちなみにワタシは顧問ってことになってます。おほほほほ。